招き猫ミュージアムのある愛知県瀬戸市はやきもののまち。そして、明治以来の歴史を持つ招き猫の産地、つまり全国の陶磁器産地の中で一番最初に招き猫作りをはじめた地でもあります。
かつて瀬戸は、人形や鳥など精密に表現したセト・ノベルティーと呼ばれる海外輸出向けの置物を多く生産していました。そのセト・ノベルティー生産の原点ともいえるもののひとつに招き猫があります。明治30年代後半以来約100年間、「古瀬戸(ふるせと)タイプ」からファンシーな招き猫まで、時代の要請に合わせ、さまざまな招き猫を作りつづけてきました。
「古瀬戸(ふるせと)タイプ」と称される細身で前垂れを着けたかたちの招き猫は、京都の伏見人形が原型とも言われます。
現在、最もポピュラーで生産高が多い招き猫と言えば、小判を抱えた二頭身の「常滑タイプ」です。昭和20年代後半に現在のモデルが完成し、同じ愛知県の常滑市が主産地となっています。